「彼女は本当に“保険金”のためだけに人を殺めたのか?」
1999年に公開された映画「黒い家」はただのホラー映画ではない。
保険金詐欺や家庭内の歪んだ関係、そして日常に潜む狂気を抉り出す、実話のようにリアルな“社会派サスペンス”である。
この物語はフィクションでありながら、90年代に日本社会を震撼させた保険金殺人事件を彷彿とさせるのだ。
本記事では、この作品の背後にある実際の事件、物語の核心、その恐ろしさを改めて紐解いていこう!
今回は、【実話がモチーフ】映画「黒い家」の狂気と保険金殺人の闇…日常生活に潜む以上の正体とは?について紹介する。
映画にある保険金殺人は本当にあるのか?
映画「黒い家」の元ネタとされているのは、実際に起こった特定の一件ではない。
1990年代に日本各地で起きた保険金詐欺・保険金殺人事件の連続報道が元なのだ。
その中でも特に印象的で、映画のイメージと重なるような事件がいくつかある。
以下に代表的なものを紹介しよう!
家庭内保険金殺人事件
1994年ごろに起きた、大阪府家庭内保険金殺人事件。
ある女性が夫や子供など複数の家族に保険金をかけ、次々と事故死や不審死に見せかけて保険金を受け取っていた。
- すべての家族が犠牲者
- 保険会社が不審に思い、操作が始まる
- 女性は精神的に不安定な言動、異常な家庭環境が発覚
この事件は「家族による連続保険金事件」という点で、映画の筋書きと酷似している。
「善良に見える主婦が実は加害者」というイメージと重なるのだ。

お金に困っていた背景があったんだろうね…
生命保険詐欺事件
1990年代に高知県で起こった事件。
男女のグループが虚偽の事故を演出し、保険金を詐取し、複数の保険に重複加入被保険者が不可解な状況で死亡…。
- 加害者が保険金ビジネスのように人間を利用
- 保険金請求のための殺害マニュアルが存在していた
保険金ビジネスは、現在もあるのだと言われている。



主に高齢者に多いと言われているワン!



弱き者を狙うあたり卑怯だよ…
実際の事件地はどこなのか?
繰り返しにはなるが、映画「黒い家」の事件は架空なのだ。
ただし、インスピレーションを得たとされる事件は大阪や高知、愛知などの各地で実際に起こっている。
映画では舞台が特定されていないが「ごく普通の郊外住宅地」という設定が、事件のリアリティと恐怖を増しているのだ!



「ごく普通の」ってところが日常って感じがするよね。
貴志祐介による原作小説「黒い家」は1997年に発表され、映画はそのストーリーを忠実に映像化した。
映画では保険会社かや加害者の演出を誇張することで「狂気」を誇張しているが、実際の事件はもっと静かなのだという。



確実に犯行が進行していたケースもあるみたいだね!
映画「黒い家」の概要


ここからは、映画「黒い家」を紹介していこうと思う。
公開年 | 1990年 |
監督 | 森田芳光 |
原作 | 貴志祐介 |
主演 | 内野聖陽・大竹しのぶ・西村雅彦 |
ジャンル | 心理サスペンスホラー |
制作国 | 日本 |
貴志祐介の「黒い家」は、日本ホラー小説大賞で受賞した小説になる。
内野聖陽はJINで坂本龍馬を演じた俳優で、大竹しのぶは皆が知る「明石家さんま」の元奥さんなのだ。
若い生命保険会社の社員である若槻慎二(内野聖陽)が、ある契約者の自宅を訪問する。
そこで若槻が目撃したのは、首を吊った少年の遺体だった。
そしてそばには、奇妙に無表情な母の菰田幸子(大竹しのぶ)がいた…。
その日を境に、若槻の周囲では不可解な出来事が起きる!
菰田幸子の真意は何か…少年の死は事故なのか…それとも?
やがて若槻は、保険金に執着する家族の狂気と、逃げられない恐怖への渦へと巻き込まれていく!



内野聖陽さんが出ている映画は、全部面白いワン!
映画の特徴
現実で起こりうる「保険金殺人」の恐怖や心理を描いたホラーになる。
幸子役の大竹しのぶの怪演が高く評価され「あまりにも怖すぎる…」と話題になったのだ!
映画中に出てくる家の中の不気味な空気や、徐々に追い詰められていく内野聖陽の心理描写が秀逸だと個人的に思う。
グロテスクな描写は少なめだが、精神的にじわじわ効いてくる怖さが特徴の映画なのだ。



大竹しのぶの演技ってすごい引き込まれるんだ…



ものすごい怪奇で心臓がきゅってなったよ!
こんな人におすすめ!
実話っぽい映画が大好きな人や、心理サスペンス系ホラー映画が好きな人におすすめしたい映画だ。
※ジャンプスケアよりも、人間の狂気にじわじわ追い詰められる恐怖を求めている人もいいと個人的に思う。
※ホラー映画やゲームなどで観客を驚かせるために使われる手法。
突然、大きな音や恐ろしい映像を見せることで、恐怖感を与えるテクニックのこと。



いきなり驚く演出よりも、じんわり怖い演出は本当の恐怖を味わえると思う…。
いかがだっただろうか
今回は、【実話がモチーフ】映画「黒い家」の狂気と保険金殺人の闇…日常生活に潜む以上の正体とは?について紹介した。
映画「黒い家」は、単なるホラー映画ではなく「人の心の奥底に潜む狂気」や、保険という日常的な制度の裏にある恐ろしい現実を描いた異色の心理サスペンス。
主人公・若槻(内野聖陽)の視点を通して、観る者もまた精神状態を体感することになる…。
特に、大竹しのぶ演じる菰田幸子の異様な存在感は、観た者の記憶に強烈な爪痕を残すこと間違いなし!
もし、あなたがまだ「黒い家」を観てないないのなら、その狂気に足を踏み入れてほしい。
そして、全部観終わった後に「あの黒い家は、本当に映画の中だけの話なのか…?」と振り返ってみて…。
それでは次回のお話で会おう。