タイのバンコク郊外にあるマハーブット寺には、今も夫の帰りを待ち続けている女の幽霊が祀られている。
その名は、メー・ナーク…。
夫への愛があまりにも強すぎて、死後も現世に溜まった女性の物語だ。
メー・ナークの伝説は数百年たった今でも消えず、寺を訪れる人々は奇妙な体験を語り続けている…。
果たして、メー・ナークは本当に愛の幽霊なのか…それとも呪いの母なのか…。
今回は、タイ最恐の愛の幽霊のメー・ナーク伝説!マハーブット寺に今も棲む帰らぬ妻のお話を紹介する。
メー・ナークの歴史
19世紀前半、バンコク近郊のプラカノン地区。
戦に出る夫・マークと、妊娠中の妻・ナークは互いに愛を誓い合って別れた…。
だが夫が戦に行っている間にナークは陣痛が来てしまい、難産の末に母子共に命を失ってしまう。
ナークは「夫」という未練があり、現世に留まり続けていたのだ!
戦から戻ったマークが帰宅すると、そこには亡きナークと子供が笑顔で出迎えてくれたのだった…。
マークはナークと子の死を知らぬまま、しばらく幸せな家族時間を過ごしていた。
ある日、マークはナークと話しながら散歩していたのを目撃され、隣の家のおじさんがマークにこう言った。
マーク落ち着いて聞いて欲しい…ナークは出産中に亡くなってしまったんだ…
おじさんはマークに話したことで、受け入れられない真実を突きつけられてしまう…。
それを隣で見ていたナークは、夫を奪おうとする者を次々と呪い殺してしまったのだ!
メー・ナークの伝説と心霊現象は?
メー・ナークは、指先を異様に伸ばして物を取る姿で知られている。
「地面に足をつけずに歩く」や「夜な夜な泣く声が聞こえる」などの証言も多く、村全体が恐怖に包まれたと伝えられているのだ!
最終的に、高僧がナークの霊を閉じ込めてしまい、その骨をマハーブット寺に祀った。
高僧が祀ったことで、ナークの呪いは静まったとされている…。
現在のマハーブット寺は?
マハーブット寺(ワット・マハーブット)は、ワット・メー・ナークと呼ばれている。
若者の恋愛成就、夫婦円満のパワースポットとして人気を集めているのだ!
参拝者はナークの像の前で、以下の物をお供物としている。
- 口紅
- 化粧品
- 玩具
- 赤い布
夜になると「子供の笑い声が聞こえた」や「女性の影が礼拝堂の中を横切った」などの霊的な現象が絶えない…。
いかがだっただろうか
今回は、タイ最恐の愛の幽霊のメー・ナーク伝説!マハーブット寺に今も棲む帰らぬ妻のお話を紹介した。
メー・ナークの物語は、単なる幽霊伝説ではない。
大好きな人への愛と執着、死後も離れられない情念という人間の根源的な怖さを映している。
マハーブット寺に祀られた今も、ナークは静かに…確かに愛する夫を待ち続けているのかもしれない…。
それではまた次回のお話で会おう。

