花嫁は何も語らなかった。
土の中に生きたまま埋められたその夜、城を囲む森には、誰にも聞こえないはずの「泣き声」が響いたという。
ここは、フランス・ブルターニュ地方に佇むトレスソン城…。
美しくも哀しき“白い花嫁”の伝説が、今なお語り継がれている。
今回は、埋められた花嫁の正体とは?トレスソン城に今も現れる白い幽霊の謎とは!?について紹介しよう。
トレスソン城の歴史とは?
ブルターニュ地方カンペニャック村、パントモン森林の辺縁に佇むトレスソン城。
その石造りの赤紫色の外壁と、城を囲む堀の水面が織りなす景観はまるで鏡のよう…。
14~15世紀に建てられた中世の城郭のまま現存し、2012年にはフランスの国定史跡に指定されている 。
かつてはトレスソン家が代々所有し、45年ごろには結婚による所有権移譲を経て、1793年以降はシヴリ家やプルネレ家などへと渡った。
現在も私有地として保存されている。
「花嫁の幽霊」伝説とは?
最も有名なのは「トレスソンの花嫁(La Mariée de Trécesson)」と呼ばれる伝説。
18世紀中頃、結婚式当日、婚礼衣装を着た若い娘が黒馬車から引きずられ、深い穴に埋められたという。
両親や兄弟の仕業とされ、目撃者である密猟者が村人に通報!
しかし助け出された花嫁は息を吹き返さず、名前も生前の事情も不明のままだったとのこと…。
その後も満月の夜、城の屋根の上や堀のほとりに白いドレス姿で現れるといわれ、哀しげな花嫁の姿が語り継がれている。
現在のトレソン城は?
レスソン城は現在私有地であり、一般向けのアクセスには制限がある。
ただ、夏季には外観・堀・コロンビエ(鳩舎)・礼拝堂など一部を見学できることもあるんだとか。
ガイド付き見学などの情報も地元で提供されることがある。
ただし、多くの心霊伝承は遠方から見える風景や地元の語り部による話ベースなので、夜間無断侵入などは禁止。
訪れる際は必ず現地ガイドやツーリズムオフィスの指示に従うことをおすすめする。