日本各地には、母と子の絆をテーマにした数多くの伝承が残されている。
その中でも、最も悲しく、そして恐ろしいとされるのが乳母地蔵なのだ。
夜になると地蔵が泣き、ゆりかごの音が聞こえるという怪異…。
今回は、乳母地蔵の呪い…夜に泣く地蔵が語る母と子の怨念を調べてみた!について紹介する。
乳母地蔵とは?
乳母地蔵は、江戸時代から伝わる日本の民間信仰のひとつで、亡くなった赤ちゃんや幼くして命を落とした子どもを弔うために建てられた地蔵。
多くは村外れや寺の境内の片隅、あるいは産院跡にひっそり佇んでいる。
亡くなった子を思い続けた母親や、世話をしていた女性の魂が宿っているとされているのだ。

次に、歴史を見ていこう!
乳母地蔵の歴史と起源
乳母地蔵の最も古い記録は、江戸時代中期。
飢饉や疫病が相次ぎ、赤子の命が失われることが多かった時代に、母親たちは「せめて赤子の魂だけでも守って欲しい!」と各地に地蔵を祀り始めた。
中でも有名なのが、京都・伏見に伝わる泣き地蔵の逸話。
ある村の女性が、自らの子を亡くした悲しみで命を絶ったその後、母親の墓の近くで夜な夜な赤ん坊の泣き声が聞こえた…。
それが乳母地蔵の原型となったとも言われている。
乳母地蔵で起きる心霊現象
乳母地蔵の周囲では、古くから次のような怪奇現象が報告されている。
- 夜中に赤ちゃんの泣き声が聞こえる
- 誰もいないのに揺り籠の音がする
- お供え物のミルクが減っている
- 写真を撮ると女性の顔が映り込む
また、地蔵に触れると「夢に知らない子どもが出てくる」「腕に赤い痕がつく」などの噂もある。
霊感の強い人の間では「母子の怨念が宿る場所」として避けられている地域もあるほど…。
中には「赤子の霊を鎮めるために祈ると、家庭内の争いが収まる」という守護の面を持つ地蔵もあり、恐怖と信仰が紙一重で共存しているのが特徴なのだ。
現在の乳母地蔵は?
現在も、京都・奈良・新潟・青森など全国に乳母地蔵が残っている。
多くは地元の人々により供養され、夜には灯明が絶えないのだ…。
しかし、一部では老朽化や再開発により撤去され、その跡地で不可解な事故や火災が相次いだという報告もある。
SNS上では、深夜に撮影した地蔵の写真に「赤ん坊の手形が映った」といった心霊投稿も増えている。
令和の時代でもなお、この“母と子の地蔵”は恐怖の象徴として語り継がれているのだ!
いかがだっただろうか
今回は、乳母地蔵の呪い…夜に泣く地蔵が語る母と子の怨念を調べてみた!について紹介した。
母の愛は、時に死を超えて続く…。
乳母地蔵は、そんな母性の裏に潜む「未練」と「執着」を象徴する存在なのだ。
もし夜道で、赤子の泣き声と共に地蔵の影を見かけたら、決して振り返ってはいけない!
それは、あなたを“あの世”へと導く母の声かもしれない…。
それではまた次回のお話で会おう。